エアアドベントカレンダーです.
2年目.年間スケジュールと基本的な仕事はだいたい覚えたので,昨年よりかなりスムーズ(本務校以外の仕事を減らしたのもありますが).
「不満」というようなものはなく,また殊更に言うべきこととも思いませんが,強いて挙げれば,担当する教務が自分の専門からやや外れていること,その状況が今後もおそらく変わらないこと,があるでしょうか.「研究と教育の連動」という今日求められている効率化という点で,これが現在の解決すべき主な課題としてあります.残り少なくない自分の人生の,更に少ない研究のための時間を今のペースでギリシア語に費やさねばならないという現実にはときに苛立ちを覚えなることもあります.また,むろんこれがぜいたくな悩みであることは承知しているものの,そうした悩みを理解してくれる存在が無いというのも小さなストレスではあるかもしれません.
今年は思わぬ偶然が重なるような場面が多くありました.『縛られたプロメーテウス』とヘーシオドス『神統記』『仕事と日』を講読しているところに折よく(?)フランスから科学技術史と古代ギリシア哲学の専門家が来訪してレクチャーをしてくれることになり学生を引率したことなどはそのひとつです.準備と対策はかなりの重労働でしたが,結果は良く,先方から学生への評価も良いものでした(自分が褒められるよりうれしいものです).
(だいたい上で尽きているようにも思えますが……).論文自体は何本か書きましたが,査読中だったりリジェクト後改稿中だったりで出版まで行くのは早くても来年でしょう.うまくいくとよいですね.理想的には,休暇期間中に執筆→休暇終わりに投稿→学期中に査読が進行というサイクルですが,なかなかそうは運びません.
ここ数年,ちゃんとした文献データベースにインデックスされている媒体に論文を書いたこともあり,国外の研究者からのコンタクトが数回ありました.そうした国際誌掲載論文が入り口になって「お前が日本語で書いている論文や本を詳しく知りたいが英語化する予定はないのか」といった問い合わせを見るに,「研究が国際的に可視化される」ということと「記述言語が英語である」ということとの間には一般に思われているほど関係はないのでないかという気がしています.このあたりのことについても言いたいことや考えていることは多くありますが,今はむしろそのような考えにauctoritasを付与するだけの実績を作らなければならない時期かもしれません.
日々の業務でこま切れにされた時間をいかに自分の学習に使うかという課題は前年以来のものですが,今年は授業後に論文や書籍を読み進めることが比較的よくできたので,改善が見られました.
それから,作詩作文教育の研究のため,自分でも詩を作る必要を感じ,漢詩とラテン詩のページを作りました.折に触れ追加したり,追加してあるものを推敲したりしていきます.業務関係以外で読んだ本で特記したいものとしては:
他に色々お絵描き教本系の本を買いました.マール社のお絵描きチュートリアルシリーズと,ボーンデジタルの『Vision ストーリーを伝える:色、光、構図』を特に繰り返し読んでいます.繰り返し読むだけで上手くなるなら世話ないねぇ……
引き続き視聴アニメ一覧はAnnictへ.今年もおもしろいアニメがたくさんありましたね.かかわった全ての人に感謝.あと,アニメ入りでようやくアークナイツを始めましたよ(ストーリーを読み進めたいのにゲームが難しくて先へ行けない…).
エアアドベントカレンダーです.
4月から新しい職場に移りました(New!).
業務量がかなり増えたものの,前任者からのサポートもありつつ引継ぎはスムーズに進み,人間関係が良好かつ良い同僚にも恵まれているので本当に何も言うことがありません.この分野の職としては国内でも最も待遇がよい部類ではないかと思います.(と同時に,大学院時代を振り返って,同じ空間に執拗なハラッサーがいるということが如何にパフォーマンスを下げていたのか痛感しています……).
年初に投稿していた論文が一度rejectになったので落胆していましたが,改稿を経て別の雑誌に載る目途がつきました.
前記の業務量が多く,上半期はその隙間にむりやり研究を進めようとした結果うまくいかず迷走していたため,上半期は学期中の研究作業を最小限(査読者への返答など)に抑えて体調を優先しました.とはいえ,これができたのは,前述の論文掲載の目途がついていたからこそですが……
「3時間を1度」と「1時間を3度」は同じではないため(時間については交換律は成立しない!),細切れにされた時間をどのように自分の勉強と研究に活用するか,また業務の内容と研究対象がズレている問題をどう解決するか,あたりが来年の課題ですかね.
それから,夏ごろにAccademia Vivarium Novumのオンライン・ラテン語講座を受講してきました.古典語の直接法教育(direct method)を実践している学校で,実際に授業に参加することを通してその教授法を学ぶことができました(詳細).ラテン語を能動的に用いる機会をどのように確保し,それを今日的なカリキュラムの中にどのように取り入れることができるか,という問題はなかなか解きがたいですが.
業務の一環でたくさんの本を購入・発注してはいるものの,肝心の読む時間を設けられておらず,むしろ隙間の時間に関係のない本を読んでいました.
今年読んでよかった本とか: