「喜ばしげにまた物憂げに,連れ立ちながら伴を欠き,
語りつつ道を往く婦人たちよ,
我が命,我が死は何処に居られるのか,
いつものように貴女方と一緒でないからお尋ねするが」
4
「あの太陽を思い起こせば喜ばしく,
一方,他人の幸せを己が不幸のごとく苦とする
『羨望』と『嫉妬』に奪われた
あの愛しい仲間のために沈鬱なのです」
8
「誰が恋する者を制し,掟を課することが出来ましょう」
「魂に対しては誰一人として.体に対しては『怒り』と『冷酷』が.
我らの時折経験することが今彼女の身に起こっています.
11
ですがしばしば人の心は表情に読み取れるもの.
我らは彼女の高貴な美しさが翳り,
その眼がすっかり露に濡れるのを見たのです」
14
COM. ――ラウラの女友達と詩人との対話体をとるソネット.
1. 喜ばしげにまた物憂げに:5-8行で説明される.
伴を欠き:ラウラがいないこと.
3. 我が命,我が死:ラウラ.
5. 太陽:ラウラ.
14. 露:涙.