Petrarca, F., Canzoniere
181
愛神は、草の間に黄金と真珠でできた
優雅な網を張った,我が愛する
常緑の樹の枝の下に.
その木蔭には楽しさよりも悲痛があるのだが.
4
愛神が蒔きまた刈り取る,甘く苦い種は
誘いの餌,私はそれに震え恐れを抱く.
アダムが目を開いたその日より,未だかつて
これほどに甘く安らかな調べはなかった.
8
太陽すらも消え入らせるまばゆい光が
あたりに輝きを放ち,象牙や雪にも勝る
その手に綱が絡め取られた.
11
こうして私は網にかかり,雅な振舞いと
天使のような言葉,そして喜びと
憧れと期待とが私を捕らえたのだった.
14
COM. ――
1. 黄金と真珠でできた:黄金はラウラの金髪,真珠はその髪飾り(あるいは白い歯)を指す.
8. 甘く安らかな調べ:ラウラの話す言葉.
9. まばゆい光:ラウラの眼の輝き.
11. 綱:仕掛けた罠を引くための.
2017/07/28
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