Petrarca, F., Canzoniere

31


時を待たずして第二の生へと招かれ
地上を去り行くかの高貴な魂は
天上でしかるべき歓待をうけるならば
天空のうちの至福の座に就くことだろう.
4


彼女が第三の灯と火星の間にとどまれば
太陽の貌は色褪せるだろう,
彼女の限りない美しさを眺めようと
貴き霊たちが彼女のまわりへと離れていくゆえに.
8


もしも第四天の下へと座するのならば
三つの星のいずれもがその美しさを翳らせて,
栄誉も声望も彼女ひとりが手にするだろう.
11


第五天に住まうことはないだろうが,
もしもより高くへ飛びゆくならば,木星共々
他の全ての星々が圧倒されるものと私は信じる.
14


COM. ―― 2. 高貴な魂:ラウラを指す. 5. 第三の灯:第三天にある金星のこと.金星と火星の間は太陽天(第四天)になる. 8. 貴き霊たち:おそらく天使のこと(cf. Rvf. 346. 1). 10. 三つの星:すなわち月,水星,金星. 13. 木星:木星は第六天にある.

2016/11/23


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