COM. ―― 1. エリュマントスの熊を見張る者:《エリュマントスの熊》はカッリストーのことで,すなわちおおぐま座.それを見張るのは牛飼い座. 2. 西の海:底本 の修正案occiduasで,写本は一致してaequoreasを伝え,その場合《海の波を乱す》くらい. 8. 神々の像:船尾にお守りとして神々の像をつけた.これはtutelaと呼ばれた(Cf. Sen. Ep. 76, 13.). 14. 馬の首に:ceruici ... equi. 底本 の修正案.写本伝承はceruicis ... equo. 16. 馭者:aurigam. 直前の喩えとの関連でこの《馭者》が水夫を指すことは理解できる. は‘Auriga ... ratis, i. e. gubernatorem; ratis scripsi pro rati, ut cum auriga apte iungatur.’と属格に修正する案を出してはいる( Commentarius exegeticus ad Ovidii Tristia, Budapestini 1913: 25). 25. 許したまえ:parcite. 写本の読みは割れていて,底本の はparcite caerulei uos parcite ... と二度繰り返されるものを採るが, は反復を不良としてuos saltemという読みを採る.その場合,《せめてあなた方は》となって次行のユッピテルとの対比が強く出る形になる. 28. 一度滅んだ者に再び滅ぶことができないならば:si modo, qui periit, non periisse potest. 追放と死とを重ね合わせている.„Selbst wenn Ovid diesen Sturm überlebt, ist doch seine bürgerliche Existenz durch die Relegation vernichtet.“( ad loc.)
2017/03/13
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