Housman, A. E., A Shropshire Lad


XVI

イラクサは,風がその上を吹くと
 頭を垂れてお辞儀をし,もとへと戻る――
恋ゆえに縊れて死んだ
 恋人たちの墓の上のイラクサは.

イラクサは頭を垂れる,その上を風が吹く,
5

 だが男は動かない――
恋ゆえに縊れて死んだ
 その墓に眠る恋人は.

XXXII

はるか遠く,西から,東から,
 そして十二の風持つ空を越え,
生命の素材が私を編み上げるべく
 此方へ吹いてきた.そして私は此処に在る.

――一息の間私はとどまり
5

 まだ散々に去らずにいる――
はやく私の手を取り,語ってくれ,
 お前が胸のうちに何を持っているのかを.

さあ話してくれ,そして私は答えよう.
 どうすればお前の助けとなれるのか,言ってくれ.
10

風吹く十二の方角へ,私が
 果てない道を往く前に.

2017/04/24


▲戻る